99年1月のロボット実験結果

ロボット実験のページに戻る ETS-VIIホームページに戻る 1月第3週 1月第4週 1月第5週

今月のNASDAのロボット実験の主旨

ロボットアーム先端の手先カメラ画像を衛星に搭載されたロボット実験用搭載計算機に取り込み、同計算機で画像処理を行うことにより、対象物までの距離・姿勢を求め、さらに同物体を把持するためのソフトウエアを新たに開発し、同ソフトウエアが正常に動作するかどうかの試験を今月一杯実施する。なお、本ソフトウエアは,搭載ロボットアームの遠隔操作を容易にしたり、今後実施することを予定しているロボットアームによるターゲット衛星の捕獲実験等に使用される。

また、上記の作業の他に、搭載ロボットアーム/手先カメラを使用した軌道上交換ユニット/ガスジェットスラスタの点検、及びNAL、CRLのロボット実験の支援が予定されています。

1999年1月の実験運用スケジュール


1999年のロボット実験は、1月12日より開始しました。第2週は御用始め、第3週の実験準備等を行いました。

第3週  1月12日(火)〜13日(水):実験実施時間

時間帯 実験内容 実験結果
12 1〜6 実時間画像計測機能試験 (1月12日の作業結果)
1/12の試験では、第一可視帯においてNASAのTDRS地上局のアンテナの故障により、ETS-VIIとの交信が行えなかった。そのためアンテナ追尾異常検知ロジック(APS_FDIR)が通信回線の異常と判断し、ハイゲインアンテナをオムニアンテナに切り替えると共に、テレメトリデータの記録をロボット実験系搭載計算機に記録する様にしたため、前日に送信しておいた上記搭載ソフトウエアがテレメトリデータで上書きされた。通信回線が復旧後、再度、搭載ソフトウエアの送信、ロボットアームの展開、画像計測機能の確認試験を行ったが、太陽光の照射状態によっては、計算機がマーカを識別できないことがあることが判明した。

 
ターゲット衛星を捕獲に行こうとしているロボットアームとその時の映像
なお、ターゲット衛星捕獲実験の際には、ターゲット衛星は1m程、離れている。
13 1〜6 実時間画像計測機能試験 (1月13日の作業結果)
前日の試験で、搭載計算機による画像処理が太陽光の影響を受けることが判明したため、日照状態を考慮の上、ターゲット衛星把持用の2点マーカ、タスクボード/ターゲット衛星操作用ハンドル上の3点マーカの実時間画像計測を試み、日照条件が適切な場合には正常に実時間画像処理が行われていることを確認した。また、第2パスにおいて、画像計測結果を使用したロボットアームの制御(画像フィードバック制御)が可能なことを確認した。衛星搭載計算機による実時間の画像処理、及び同画像処理結果を使用した自動的なロボットアームの制御は世界でも初めてのものである。


ターゲット衛星を把持する直前の手先カメラ、肩監視カメラの映像
(なお、この日の実験ではロボットアームの先端に取り付けるべきターゲット衛星操作用ツールは装着していない。



今後、実時間画像計測を使用して実際に対象物の把持が可能かどうかの試験を1月26日以降に実施する。なお、本日使用した搭載S/Wはまた全機能の試験が終わっていないため、来週のNAL/CRLの試験に備え、従来の搭載S/Wを本日の最終パスで搭載計算機に転送した。


第4週 1月19日(火)〜20日(水)実験実施時間

時間帯 実験内容 実験結果
1 19 1〜3 軌道上交換ユニットの脱着・点検
1月19日第1〜第3パス作業結果)
軌道上交換ユニットを使用した推薬補給模擬実験が昨年10月末に実施されたが、その後の軌道上交換ユニットの流体コネクタ等の結合部分が正常であることを確認することとし、軌道上交換ユニットをロボットアームで把持・固定解除し、同ユニットを持ち上げその底面をロボットアーム肩監視カメラに向けてカメラ画像により点検を行った。その結果、模擬推薬(水)の移送に使用された流体コネクタを含めて軌道上交換ユニットの状態は正常であることを確認した。本作業時の映像を示す。(上:ロボットアーム肩監視カメラからの映像、下:実験運用設備のコンピュータグラフィックスによるロボットアーム動作状態の表示)




(衛星の朝)    (軌道上交換ユニットの取り外し)


(軌道上交換ユニット移動)  (流体コネクタの目視点検)

なお、上記作業に若田宇宙飛行士も立ち会い、スペースシャトルのロボットアームの操作との違い(特に、ETS-VIIの実験作業、及び異常発生時の対応等が自動化/省力化されていること)に興味深そうに実験に見入っていた。
4〜6 NALロボット実験の支援 展開トラスの収納作業、組み立てトラスの組み立てを遠隔操作で実施。
なお、第4パスは、NASA/TDRS地上局の不具合により運用時間が短縮された。
1 20 1〜2 CRLロボット実験の支援 遠隔操作性を向上するための機器を地上のロボット実験運用設備に追加してのロボットアーム操作実験
3〜4 NALロボット実験の支援 地上のロボット実験運用設備のマンマシンインターフェースを変更してのロボットアーム遠隔操作実験
5 NASDAロボット実験(手先カメラを使用した作業環境の計測) ロボットアーム先端の手先カメラに映る対象物の見かけ上の位置・方向等から相手対象物の概略寸法を理解する技術の実験。
1 21 実験運用なし NASAのTDRS地上局の都合(設備改修のため利用できる設備が限られている)で,実験運用をキャンセルした。


1月第5週:1月27日(水)〜28日(木)実験実施時間

時間
実験内容 実験結果
1 27 1〜3 NALロボット実験 NALのロボット実験運用設備の遠隔操作支援用ソフトを改良しての遠隔操作実験(トラス構造物の遠隔操作実験)を実施。
なお、3パス目は、ロボット実験用搭載計算機のエラーにより中断し、延期。
4 NASDAロボット実験(S/W転送) 翌日のNASDAロボット実験に備え、新しい搭載ソフトウエアを衛星搭載計算機に転送
28 1〜6 NASDAロボット実験(実時間画像計測機能試験) 1月13日に引き続き、衛星搭載計算機による実時間画像処理機能の試験を実施。
この日は、実時間画像処理結果を使用したロボットアームの制御(画像フィードバック制御)が可能なことを確認、すると共に、計測制度の評価等を行った。
次回は2月3日に画像フィードバック制御により実際に機器の把持が可能かどうかの試験を行う。