ETS−VIIロボット実験の課題と達成状況(H11.3末時点)

H11.3.30

要求課題 実施状況、特記事項 結果
衛星搭載ロボット実験機器の機能性能の評価
衛星搭載ロボットアームの機能性能の評価(制御精度評価等) 初期機能確認/性能確認フェーズでロボットアームの制御精度、力覚制御性能等の評価を実施した。
ロボットアームの制御精度を向上させるためのアーム関節ミスアライメントの評価/校正を行うことにより、ロボット制御系内の実験機器配置の幾何学モデルと実際の機器配置/ロボットアーム関節の制御精度とのズレは2mm以下となり、ロボットアームを使用した大半の作業を自動的に実行できる様になった。
また、ロボットアームの各種の力覚制御機能(コンプライアンス制御、アックティブリンプ制御、力追従制御)がいずれも正常に機能していることを確認した。
良好
視覚系の機能性能の評価 初期機能確認/性能確認フェーズで、視覚カメラの撮像機能/性能の評価を行い、ロボット実験/ランデブドッキング実験に充分使用できる機能性能を有していることを確認した。ロボットアーム先端の手先カメラで地球表面の撮像、及びビューイングカメラで1km前方のターゲット衛星が撮像でき、要求仕様以上の性能を示した。 良好
衛星搭載ロボットアームの地上からの遠隔制御実験
自動操作による遠隔制御実験 ロボットアームのキャリブレーションの実施により、衛星搭載実験機器とロボットアームの位置関係が正確になった。その結果、ロボットアームによる搭載実験機器の把持等の作業の大半は自動操作で対応できる様になった。また、自動操作モードではオペレータの監視の下で大半の作業が自動的に実行可能なため、ETS-VII搭載ロボット実験に係る大半の作業を自動操作により行っている。 良好
遠隔操作実験 COMETSの代替として使用しているNASAのデータ中継衛星(TDRS)は等間隔の指令信号の伝送が出来なかったため、実施不可能であったが、チェイサ衛星に搭載されたロボット実験用計算機のソフトウエアを改良して、等間隔に地上からの指令を実行する機能を付加(98.9)することにより、遠隔操作を可能とした。その上で、ハンドコントローラを使用した遠隔操作の操作性を向上させるための各種手法の有効性の確認を行い、ETS-VIIの場合、往復で6秒程度ある通信時間遅れの下でも衛星搭載ロボットアームの遠隔操作が可能なことを確認した。
また、99/03/16には若田宇宙飛行士による遠隔操作実験を行い、スペースシャトル搭載マニピュレータとの操作性の比較評価実験を行った。
良好
衛星搭載ロボットアームと衛星姿勢の協調制御実験
ロボットアームの動作反力を吸収する協調姿勢制御実験 ロボットアームの動作により発生する衛星本体への反動を角運動量として実時間で推定して衛星の姿勢制御系でフィードフォワード補償することにより、ロボットアーム動作時の衛星の姿勢変動を大幅に減らせることが確認できた。
特にロボットアームによりターゲット衛星を移動操作する際に、通常の姿勢制御ではロボットアームの動作反力によりチェイサ衛星の姿勢に1deg程度の制御誤差が生じるのに比べ、協調姿勢制御では姿勢誤差は0.2deg以下と、大幅に改善されている。
良好
衛星の姿勢制御状態を考慮した協調ロボットアーム制御実験 上記の協調姿勢制御実験を通じて、衛星搭載ロボットアームの動作と衛星の姿勢変動、衛星ダイナミクスの評価データを取得して、衛星の姿勢制御状態を考慮した協調ロボットアーム制御の可能性を確認した。なお、衛星の姿勢制御状態を考慮したリアルタイムでの衛星搭載ロボットアームの動作制御実験は、後期利用段階の追加実験として実施する予定である。 良好
軌道上サービス基礎実験
衛星搭載機器の目視点検 ロボットアーム先端の手先カメラ、及び第一関節上の監視カメラにより、ガスジェットスラスタ、軌道上交換ユニット下部の流体コネクタ、タスクボード表面等の目視検査を実施し、遠隔操作ロボットによる衛星搭載機器の目視検査が充分実施可能なことを確認した。 良好
衛星搭載機器の交換 軌道上交換ユニット(ORU)、タスクボード操作用ツール、ターゲット衛星操作用ツールの脱着/収納等の作業により、遠隔制御されたロボットアームで機器の交換が可能なことを確認した。 良好
各種軌道上作業実験 タスクボード上の各種の実験装置の操作実験を行い、各種の作業が遠隔制御により可能なことを確認した。
(1)ロボットアーム先端に各種の作業用ツールを取り付ける。
(2)スライドハンドルの操作
(3)曲面の押し付け/なぞり
(4)機械的スイッチの押し下げ(小型浮遊物固定解除/固定用)
(5)小型部品(小型浮遊物)の把持操作
良好
推薬補給模擬実験 軌道上交換ユニット内部に組み込まれた推薬補給実験部(タンク、流体コネクタ、バルブ等)を使用して、地上からの遠隔制御により、流体コネクタの脱着、リークの有無の確認、模擬推薬(水)の移送等を行い、ヒドラジン等の燃料の移送が可能なことを確認した。(98/10/27) 良好
ターゲット衛星操作実験 チェイサ衛星搭載ロボットアームで質量410kgのターゲット衛星を操作することにより、以下のことを確認した。
(1)衛星搭載ロボットアームにより大型・大質量の貨物が操作できること
(2)ランデブドッキング系とロボット系の協調的な動作が可能なこと
良好